「科学的に正しいダイエット 最高の教科書」
世間的には多くのダイエット法が謳われていますが、ダイエットで最も大事なのは「睡眠」をとる事なのです。
現代は、在宅、コロナ、連休、寝不足など肥満の原因が溢れています。
本当に正しいダイエット法は、科学的なエビデンスに基づいているのです。
正しい知識を得ることは、一生を通じてあなたの生活の質を高めることに役立つでしょう。
●ダイエットを阻む食欲のメカニズム
健康のため、魅力的な体を作るためにダイエットを始める人は沢山います。
ところが、思い通りにダイエットできる人は、ごく少数なのです。
なぜ人はダイエットに失敗してしまうのでしょうか?
「科学的に正しいダイエット 最高の教科書」の著者は以下に断言しています。
ダイエットが続かないのは、あなたの問題ではありません。と。
数百万年前の旧石器時代、ヒトは狩猟民族として、食うや食わずの半飢餓状態を生きていました。
その為、とりわけ脂肪として蓄えられる糖質や脂質をできるだけ多く食べようと進化してきました。
飽食の現代では気付かぬうちに、過剰なエネルギーを摂取させられているのです。
人間の食欲には2つの側面があります。
1つ目は、生命を維持するための食欲。
2つ目の、美味しいからもっと食べたい!という食欲を嗜好性食欲と言いますが、それぞれの食欲を司る脳の部位が異なるのです。
「生命維持のための食欲」と「嗜好性の食欲」は、脳科学的にも全く異なる現象なのです。
脂肪は生命維持において重要な組織なので、私たちは脂肪が減ると生命維持のための食欲を増加させる働きをします。
そこで重要な働きをするのが食欲調整ホルモン、レプチンです。
レプチンはマイナスのエネルギーバランスにすることで体重を減らそうとします。
しかし過食を繰り返し過ぎるとレプチン抵抗性が生じ、視床下部によって食欲を抑える作用が弱まり、エネルギー摂取量が増え、エネルギー消費量を高める作用が弱まることで体重が増え続けてしまいます。
さらに過食を繰り返すと、側坐核や線条体にある受容体の反応が鈍くなり、果糖中毒や脂質中毒を生み出します。
これは薬物依存と同じメカニズムとされています。
このように、習慣的な糖質や脂質の過剰摂取は嗜好性の食欲を高めるとともに、中毒性を引き起こしレプチン抵抗性を生じさせることで私たちを太らせるのです。
●ダイエット成功の鍵は「十分な睡眠」である
宿命的な食欲のメカニズムをコントロールするための唯一の方法「睡眠」について学んでいきたいと思います。
人は旧石器時代の生活様式に最適化しています。
狩猟最終の時代では、得られた食糧は「そのとき」に全てを食べなければなりません。
次にいつ食料を得られるか予測できない場合、目の前の食事をなるべく多く食べて余ったエネルギーは脂肪に変えることが、半飢餓の時代を生き抜く最適戦略だったのです。
ダイエットが続かない原因は意志が弱いのではなく、意志力のマネジメントができていない事にあるのです。
肥満でダイエットの意志がある学生に向けた味覚調査では、スイーツを食べる量も時間の制限もないため、学生は好きなものを好きなだけ食べることができます。
片足立ちで計算課題を行ったグループは、両足立で計算課題を行ったグループよりも多くのスイーツを食べたのです。
それは片足立ちで計算を行うと意志力が消耗するためなのです。
これがスイーツの誘惑に負けてしまった理由だと研究グループは考察しています。
意志力は無限にあるわけではなく限界があるのです。
辛い出来事があった時、あなたはつい甘いお菓子に手を伸ばしてはいませんか?
自らの意志力を上手にマネジメントすることが大切なのです。
意志力を消耗させないためにもっとも重要になるのが「睡眠」です。
睡眠不足によって意志力のみならず、注意力や記憶力といった認知機能も低下してしまうためです。
ダイエットのためにまず実践すべきは「十分な睡眠」をとることなのです。
睡眠不足によるダイエットに対する悪影響は、意志力を低下させることだけではありません。
2004年に行われた睡眠不足と食欲調整ホルモンとの関連を調査した研究では、睡眠時間が短いほど食欲が高くなる傾向が認められました。
睡眠不足による意志力の低下や食欲の増加は、摂取する食品の栄養素や加工状況の選択にも影響を与えます。
睡眠不足は主食の摂取量を減らして、代わりにスナック菓子などの間食の摂取を増やすことが分かりました。
睡眠不足は太る食品の摂取量を増やす一方で、健康的な食品の摂取量を減らし、食事の時間帯を遅らせて生活のバランスを崩します。
このような理由から、ダイエットを始めたいのならば、まず何よりもしっかりと睡眠をとることが大切なのです。
スポンサーリンク
●「痩せる食品」と「太る食品」の見分け方
近年、ダイエットに関するパラダイム・シフトが起こっています。
それはダイエット中の食事は「主栄養素ではなく質に注目する」というものです。
これまでは、低炭水化物ダイエット、低脂質ダイエットのように、主栄養素の量を減らすことに主眼が置かれてきました。
600名の肥満者を、低炭水化物食グループと、低脂質食グループに分け、12ヶ月後の体重の変化を調査しました。
被験者は、未加工又は最小限に加工された健康的な食品を自宅で調理するように栄養士から指導されました。
低脂肪食グループは、玄米、大麦、オート麦、豆類、脂肪を除いた赤身肉、低脂肪の乳製品、新鮮な果物、マメ科植物を摂取し、低炭水化物食グループは、オリーブ油、サーモン、アボカド、チーズ、野菜、ナッツと種子を摂取しました。
驚くべきことに、両グループ共に平均5kg以上の体重現象と体脂肪率とウエストサイズの減少が見られ、グループ間に有意な差はなかったのです。
さらに驚くことに、被験者は1日好きなだけ食べることが許されていたにも関わらず、1日のエネルギー摂取量が平均500kcalも減少していたのです。
この研究は、健康的な炭水化物や脂質という「良質な主栄養素」の摂取がエネルギー摂取量を自然と減らし、体重の減少に寄与したことを示唆しています。
現代の私達にとって食事量を減らすことは大きなストレスになります。
これに対してスタンフォード大学の研究では、良質な主栄養素を含む食品であれば、好きなだけ摂取しても結果的にエネルギー摂取量を減らすことができるという新たなダイエット手法を生み出したのです。
さらに最近の研究では、炭水化物にも脂質にもそれぞれ、痩せるものと太るものがある事が分かってきており、「痩せる食品」=「健康的な食品」である事も分かってきています。
痩せる炭水化物の正体は、炭水化物に含まれる「食物繊維の量」です。
健康的なダイエットを成功させるためには、痩せる炭水化物を含む食品を多くメニューに取り入れ、食物繊維を「1日あたり25g以上」摂取することが必要であるとされています。
痩せる炭水化物とは、玄米や全粒粉のような「茶色い炭水化物」の事なのです。
白い炭水化物を茶色い炭水化物に置き換える事が推奨されています。
野菜には、「痩せる野菜」と「太る野菜」があります。
野菜と果物の摂取量と体重の増減の関連について、13万3468名の男女を対象に、24年間に及ぶ大規模な調査を行いました。
この研究では、野菜と果物の摂取量の増加と体重の増減の関連と、野菜や果物の各品目ごとの体重の減少効果が調べられました。
緑色の葉野菜には高い減量効果が見られましたが、じゃがいもやさつまいもなどの茶色い野菜には増量効果が見られました。
食物繊維には、満腹感を高める、腸での糖質や脂質の吸収を遅らせて腸内環境を整える、腸内細菌の活動を促すなど、肥満を防ぐ多くの作用があります。
またイソフラボンには、脂質の生成を抑制する、脂質の蓄積を減らす、肥満の要因となるインスリン抵抗性を改善するなどの効果が報告されています。
さらにタンパク質には、食欲を低下させ、エネルギー摂取量を減少させる効果があります。
これらの作用によって、大豆食品は体重減少を促しているのです。
アブラナ科の野菜や緑色の葉物野菜は、食物繊維を多く含むため痩せる野菜と言われているのに対し、ジャガイモなどのイモ類やトウモロコシは、澱粉として糖質を多く含むため摂取すると太りやすくなるのです。
「科学的に正しいダイエット 最高の教科書」にはこれらの食品以外にも、お茶やコーヒー、ナッツなどがあげられています。
より深く知りたい方は、ぜひ「科学的に正しいダイエット 最高の教科書」を実際に買って読んでみて下さい!
おすすめの本
科学的に正しいダイエット 最高の教科書
ポチッと応援クリックお願いします↓
ビジネス書ランキング
コメント